こんにちは。ぱにです。

医学系の研究室で博士号取得を目指しています。
この記事では、私立大学の薬学部への進学を考えている高校生に向けて、実際に私立薬学部へ進学した人たちが「正直、後悔した」と感じている点をまとめました。
薬学部について調べていると、「薬剤師は安定している」「国家資格が取れる」といった前向きな意見がある一方で、「私立薬学部はやめとけ」といった否定的な声も目にします。
しかし、それらが事実なのか、誇張なのかは分かりにくいのが正直なところです。
僕自身も薬学部を卒業していますが、ネットの意見は極端になりがちで、現実とズレがあることもしばしば。
そこで今回は、実際に私立薬学部へ通った僕の友人たちに、率直な話を聞いてきました。 パンフレットや説明会では見えにくい、リアルな声をもとにまとめています。
私立薬学部が本当に自分に合っているのか。進学後に後悔しないための判断材料として、ぜひ最後まで読んでみてください。
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学費の重さが卒業してから効いてくる

学費が高いのは分かってたけど、正直ここまで重く感じるとは思わなかったというか、舐めてた節はある。

入学前から、年間いくらくらいかかるかは把握してたよね?

いやまあ、数字としては知ってたけど、高校生だと実感がよく分からなかったというか。
それに、卒業後に6年間分の学費があとの自分の人生にのしかかってくるって発想は、マジでなかったな。

親の援助があれば関係ない人もいるけど、Aは奨学金を借りてたんだっけ?

借りてたよ。奨学金の返済総額と返済期間を突きつけられて、ようやく本当の意味で向き合えた気がする。
私立薬学部の学費は高額ですが、その本当の重さを実感するのは卒業後だという声は少なくありません。
私立薬学部の6年間の学費はおおむね1,000〜1,400万円程度になり、奨学金の返済として社会人になってからの生活にじわじわ影響してきます。
その結果、結婚や転職といった将来の選択肢を考える場面で、お金の負担を強く意識せざるを得なくなる人もいるのが現実です。
留年や国家試験のプレッシャーが想像以上

薬学生ってちゃんと勉強させられるよね。高校の定期テストくらい科目数ある感じじゃない?笑

体感はそんな感じだった。学生の本分は学業ってのはそりゃそうなんだけど、普通の大学生の感じで通用しないのが理不尽というか。想像してた「ちゃんと勉強」のレベルじゃ全然足りなかった。

毎年どこかで単位落としたら留年だし、途中で脱落する怖さもあるから、勉強やらざるを得ない。

「6年通えば薬剤師になれる」んじゃなくて、毎年ふるいにかけられ、最後に国家試験が待ってるって感覚だったかも。
私立薬学部では、進級要件や試験が厳しく設定されている大学も多く、留年は決して珍しい話ではありません。
留年すれば学費が追加でかかりますし、なにより精神的なダメージも小さくありません。
さらに4年次にはCBT&OSCE(薬学共用試験)という大きな試験が、6年次には国家試験という最大のラスボスが待ち受けています。
ギリギリまで試験講座対策の授業を受けるとは、入学時には考えてもなかったでしょう。
このプレッシャーを入学前に具体的に想像できていた人は、正直かなり少ないはずです。
キャリア進路の選択肢が意外と狭い

薬学部って、薬剤師以外の進路も豊富って言われるけど、結局は薬剤師に落ち着くのが“規定路線”な空気あると思う。

それどういう意味?うちの大学だと、免許を直接使わないところに就職した人も結構いたけど。

それ、私立じゃ正直あんまり普通じゃないと思う。研究職とかって、大学名や研究室で最初からふるいにかけられてる感あるでしょ。

……そこはノーコメントにさせて。もちろん、僕も実情を全部把握してるわけじゃないけども。

いろいろ知った上で、「じゃあ現実的なのは薬剤師かな」って流れになる人が多いし、大学側もどこかそういう方向に誘導してる気はした。

薬剤師として就職してからはどう?

病院・調剤・ドラッグストアの中での移動はできるけど、全然違うキャリアに切り替えるのは、思ったよりハードル高いかな。給料が上がる転職も条件が限られてて、なかなか世知辛いよ。
薬学部には薬剤師以外の進路もありますが、就活の進め方や求められる条件が大きく異なります。そのため、周囲の流れや安心感から薬剤師就職を選ぶ人も少なくありません。
さらに一度薬剤師として働き始めると、職種を大きく切り替えるには追加の努力や時間が必要になります。
薬剤師資格は食べていくのに困らない一方で、後からキャリアを主体的に広げるのは簡単ではない点に、ギャップを感じる人が多いようです。
覚悟が曖昧なまま入ると、逃げ場がない

ここまで話してきて思うんだけどさ、結局いちばん大きいのって「覚悟」だった気がしない?

それは本当にそう。薬学部って、一度入ると簡単には引き返せない構造してる。

学費も時間もかかるし、途中で方向転換しづらいよね。

うん。途中で違和感が出ても、やめる選択肢が最後の切り札みたいに思えちゃう。

今さらって気持ちにもなるし、結果として、やり切るしかない状態に追い込まれる。「とりあえず人気だし薬学部」くらいの気持ちで入ると、結構しんどい場所だよね。
薬学部は、学費・年数・資格が強く結びついた進路です。
だからこそ、途中で立ち止まったり、方向転換するのは簡単ではありません。
最低限6年間やり切る覚悟が持てるかは、進学前に一度、本気で考えておくべきポイントです。
まとめ:これがオープンキャンパスでは語られない、リアルな先輩たちの声
この記事では、私立薬学部に進学した人たちのリアルな声をもとに、入学前には見えにくい後悔しやすいポイントを整理してきました。
学費、学業のプレッシャー、キャリアの選択肢、そして覚悟の重さ。
なんとなく想像はできても、実際に入ってから初めて実感することばかりでしょう。
なお、本記事は私立大学の薬学部そのものを否定したいわけではありません。
薬学部には、資格を軸に長く働けるという確かな強みがあり、教育体制や国家試験対策など、手厚いサポートが整っていることも事実です。
だからこそ、情報と覚悟の両方を持ったうえで、自分の意思で選択してほしいと思います。

同業の友人たちとここまで深い話ができ、僕自身にとっても非常に有意義な時間でした。
率直に話してくれた二人の友人に、感謝してこの記事を締めたいと思います。
では。
