こんにちは。ぱにです。

医学系の研究室で博士号取得を目指しています。
僕の博士審査が終わったよ、というだけの記事です。
正直大したイベントじゃないのですが、まあ滅多にない機会だとは思ったので、少し振り返りと感想を書きたいと思います
興味ある方だけどうぞご覧ください。
ゆとりなんだよね
振り返って痛感することは、僕の所属する組織がいかに簡単に博士号を出してくれるのか、ということです。少なくとも僕の見えている範囲では。
各所で話を聞いている限り、うちよりイージーな条件の博士審査は、存在しないんじゃないかと思ってます。
発表審査も、審査される学生が主査や副査を呼び、自分で小さめの部屋を借りて、粛々と孤独に発表する形式です。
発表は質疑含めて30-40分程度。しかも大抵は大コケしても合格をもらえる。
正直、やればOKみたいな空気は、少なからずあると思います。
これ以上詳細は書きませんが、そういうわけなので、期限までに論文を含む提出物を揃えて出せば勝ち確でした(この点はどこでも同じかも)。
論文提出が済めば、あとはデータをきれいに並べ、普段のProgressのイントロを専門外の先生に向けてわかりやすく改造しておけば、準備としては十分、というわけなんです。
英弱はつらいよ
僕自身も発表には自信がある方なので、さすがにこの発表審査の形式なら、と余裕かましてたんですが、ひとつだけ問題がありました。
それは、この発表とは別に、ネイティブによる英語の博士審査があるということです。しかも発表時間はちょっと長めの60分。
もっと長いところもあると思うし、英語の発表がデフォのところもあると思いますので、
大したことないじゃんって感じた方もいるとは思います。
しかしながら、僕はからっきし英語がダメなもので、英弱にとってのこのストレスは半端じゃないんですよね。
とはいえ逃げられないので、しぶしぶ重い腰を上げて取りかかるほかありませんでした。
それでも熱が入らない
この逆境こそ、自分をワンランクレベルアップさせるチャンスだ、と思えるほど、僕は人としてできていなくて、
どうしたらうまくごまかせるか、姑息なことばかり考えながらスライドを作っていました。
まず、ケツが決まっていたので、発表時間+5分くらいを目安にスライドと原稿を考えました。
そして質疑の余地を作らせない(無理だけど)、作らせたとしてもこちらで誘導できるように、足りない頭と英語力で考えました。

本来はこんなことに注力する必要もないのに、です。
なんのための作業をしているんだろうと落ち込むことも多く、身の入らないまま、ダラダラと時間を過ごしてしまいました。
博士課程で培ったもの、レジリエンス
とはいえ、一度うつを経験している僕にとって、終わりが見えてきているこの状況は、むしろ救い。
開き直って、自分ができることとできないことを整理して、ベストを尽くすことにしました。
できることは、なるべく正確に、淡々と、ノンネイティブな英語で原稿を読み上げること。
できないことは質疑応答全般。
それならば、なるべく自分の口に馴染んでいる単語を使うようにして原稿を作成。
恥を忍び、Could you repeat your question? ・ You mean that ~ ・ That’s an important point. などで少しでも時間を稼げるフレーズを、反復練習しました。
褒められたやり方ではないのは承知ですが、
良くいえば、泥臭く取り組める切り替えができたのは、皮肉にも博士課程での日々の賜物なのかもしれません。
自分の研究をちょっと好きになれた
迎えた当日。日本語での審査はすでに終わっており、残るはまさに最終関門として立ちはだかる英語審査でした。
ここまできたら、当然逃げることもできません。
とにかく練習した通りに、アクセントやイントネーションに最大限注意を払いながら、淡々と原稿を音読しました。
とてもとても、良い出来の発表だったとは言えないと思います。
ディスカッションはなかなかに見てられないものでしたが、それでもなんとか、自分なりにベストを尽くして乗り切ることはできたと思います。
審査してくださった先生は初対面でしたが、かなりゆっくり話してくださっていることが、僕でもはっきり分かるほど、とても優しい方でした。
そして、クロージングでいただいたコメントからは、僕が伝えたかったことがきちんと伝わっていたことが分かりました。
「Cool!」を何度も口にしてくださって、言語の違いを超えて、僕が取り組んできた研究を理解し、噛み砕いて受け止めてくれたのだと強く実感しました。
ネガティブデータも多く、決してジャーナル映えする研究テーマではありませんでしたが、
最後の最後で、自分の研究に少しだけ自信を持てたことは、本当に救いでした。
戒めでしかない
執筆時点では、博士学位審査の結果はまだ通達されていないので、 正直なところ、全然落ちている可能性もあります。
それでも全体を通して大きな事故はなく、ひとまず審査を終えることはできました。
ただし今回のことは、本当にたまたま運が良かっただけで、 このまま社会に出てしまえば、世間がイメージする 「博士のくせに使えない」を体現してしまう可能性が高い、という自覚があります。
さすがにそれは、不本意の極みです。 必ず挽回します。
この記事は、今回露呈した自分の人としての弱さや力不足を、 風化させてはいけないという、ある種の罪の意識と決意を、 自分のために書き残したものです。
ここまで自分語りにお付き合いいただき、ありがとうございました。
では。

