こんにちは。ぱにです。

医学系の研究室で博士号取得を目指しています。
この記事では、博士課程で実際に心を病んだ僕が、どうやってなんとか前を向き研究を続けてこられたのかを、なるべく客観的に、改めて言葉にしてみようと思います。
以前の記事でも書いたように、博士課程の前半は、人生で一番深く病んだ時期でした。


ブログのコンセプトにそぐわない記事で、正直、みっともなく映った方もいたかもしれません。
でも心が壊れたあと、完全に闇に沈みきることなく、今では研究を楽しむマインドで生活できています。
あの頃からどう立ち直ってきたのか。今から思えば鬱からの復帰に効果的だったことを、いくつか振り返ってみたいと思います。
もし今、同じような苦しさを抱えている方がいたら、少しでも参考になれば嬉しいです。
この記事の内容は、あくまで筆者自身の個人的な経験に基づくものです。
症状の程度や回復の過程は人それぞれ異なります。
ご自身の心や身体の状態に不安がある場合は、無理をせず、医療機関や専門家のサポートを受けることをおすすめします。
筋トレにのめり込む
もともと筋トレは趣味で楽しく続けてました。
研究に詰まってた頃は、身体を動かすのも億劫に感じていましたが、習慣でジムに通い続けていました。
通っているうちに、行くのは面倒だけど、トレーニングが終わった帰り道は、スッキリしていてやる気が出てくる感覚があることに気づくようになりました。
エンドルフィンやドーパミン、テストステロンといったホルモンが、心を楽にしてくれていたんだと思います。
当時の僕にとって、研究では得られなかった達成感を、筋トレ後に擬似的にでも感じられていたことでかなり救われていた気がします。
それに、筋トレは研究と違って成果がめちゃくちゃわかりやすい。
真剣に取り組んだ分だけ、必ず挙げられる重量が増えるし、身体にもちょっとずつ変化が現れます。
数字や見た目にちゃんと表れるのが快感で、どんどんのめり込んでいきました。
身体を動かすことは医学的にもメンタルにいい、とよく言われますが、僕の場合はそれがドンピシャでハマったんだと思います。

メンタルの不調がなくとも、大学生や大学院生には筋トレをおすすめします!

無理やり研究室へ通い続ける
今思えば、これはほとんど荒療治でした。
この一種のギャンブルは、正直あまり人におすすめできる方法ではありません。
でも当時の僕は、一度研究室に行かなくなったら、もう二度と戻れなくなると、どこかで強く感じていました。
研究室を1日サボるのは簡単です。でも、次の日はもっと行きづらくなる。そしてそのままズルズルとフェードアウト。
そんな恐怖感が、ギリギリのところで僕を研究室に繋ぎ止めていました。
だから、どれだけ気分が落ちていても、感情を無にして大学へ通っていました。
頭が働いていなくても、朝起きられなかったとしても、とりあえず物理的に研究室にいることは貫き通しました。
僕の場合、研究室が苦しかったのは、他人との関係ではなく、成果が出ない自分に対して、自分で自分を責め続けていたからでした。
つまり、自分の内側の問題が大きいパターンだったのです。
だったら、逃げるよりも、その環境に慣れるほうが近道なのかもしれない。
そう信じて、自分なりに割り切って荒療治を仕掛けたことが、結果的にはプラスに働いたのだと思います。
それに、実家から通っていたという事情もありました。
もし自宅で寝込んでいたら、家族にすぐ気づかれて、心配をかけてしまう。
それが嫌で、とりあえず大学には行くという体裁だけは、何とか守り続けていました。
通っていた当時は、本当に何も生産的なことはできていませんでしたが、今の僕にとっては、あの選択がたまたま正解だったように思います。
積極的に友人と会って話す
もともと僕は、友人の数こそ多くないけれど、心の置けない人たちには恵まれてきたと思っています。
だからこそ、最初のうちは、そんな友人たちにすら弱っている自分を見せたくなくて、距離を取っていました。
心配されるのも気を遣われるのも嫌だな、という変なプライドと意地が、しばらくの間人と会うハードルを上げていたのだと思います。
でもあるときから、少しずつ意識して人と会うようにしました。
心配されたくない気持ちはあったので、できるだけ深刻になりすぎないように話すようにしていました。
ありがたかったのは、そんな僕の話を、友人たちが誰ひとりとして過剰に同情することも、茶化すこともなく、ただ静かに受け止めてくれたことでした。
結局、人に話すということがどれだけ大事なことかを、身をもって知ることになりました。
話したからといって状況が劇的に変わるわけではないけれど、気持ちが少しずつ和らいでいく感じがありました。
いい友人に恵まれたことを心から感謝しています。
小さいことでもできたことを記録する
僕が一番しんどかったのは、何も成せていないという感覚でした。
成果もなく、苦労も報われない。そんな日が続くと、自己肯定感はあっという間に底をつきます。
そこで、どんなに小さなことでも「できたこと」を記録するようにしました。
僕の場合はNotionを使って、1週間ごとに振り返りながら、自分をちゃんと褒めるようにしていました。
特に効果があったのは、失敗の少ないPCRや、市販のキットを使った簡単な実験です。
側から見てうまくいって当たり前な作業でも、研究が進んだ実感を持てるのは大きかった。
結局、研究や仕事の不安は、最終的には研究や仕事でしか解消できない部分があると思っています。
だからこそ、自分の手で、うまくいったことを少しずつ積み上げていくことが大事でした。
ただ、できたことは本当に何でもいいんです。歯医者に行ったとか、思い切ってガジェットを買ったとか、そんなことでも十分。
どんなに些細でも、今日はこれができたと言える材料を探していくうちに、少しずつ自分を鼓舞できるようになっていきました。
まとめ:最後は自分を信じることだと思う
この記事では、僕が実際に心を病んでいたときに、やってよかったことをご紹介しました。
心が弱っているとき、感情のままに動いてしまうと、悪循環からなかなか抜け出せなくなってしまいます。
だからこそ、自分を立て直す仕組みを持っておくことが、大事だと感じました。
少しでも浮上するきっかけがつかめれば、開き直ってでも自分を肯定し、自分を信じてあげることで、どうにか心の闇を振り払えるはず。
もしこの記事が、誰かのそのきっかけ作りの一助になるなら、それだけで書いた意味があると感じます。

相変わらず卒業の危機ではありますが、そこは残された時間で足掻こうと思います!
では。