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なぜ人は先延ばししてしまうのか【セミナー参加記】【アカリク】

こんにちは。ぱにです。

ぱに
ぱに

医学系の研究室で博士号取得を目指しています。

先延ばしをする人間は、弱い人間なのだろうか?

「また今日も手をつけられなかった」そうやって自分を責めた経験がある人は、きっと少なくないと思います。

この記事では、アカリク主催のオンラインセミナー
「なぜ人は先延ばししてしまうのか 科学と歴史から考える『先延ばし』との共存戦略」の参加レポをお届けします。

登壇者は、「先延ばしと先延ばし研究をする先延ばしのプロ」を自称する、東大研究員の柏倉沙耶さん。

正直に言えば、参加前は、また耳の痛い正論を聞かされるのだろうと思っていました。

しかし、結論から言うと、このセミナーは、ものすごく救われる内容でした。

 

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95%が経験者。先延ばしは「少数派」ではない

まず、衝撃だったデータから。

  • 人の 95% は、何らかの先延ばし経験がある
  • 学業において、先延ばしを一切したことがない人は わずか4%

ほとんど全員が、何かしらを先延ばしにしたことがある。そう言ってしまっていい数字です。

「先延ばししている自分はダメだ」と思っていましたが、むしろ多数派だったという事実に、まず肩の力が抜けました。

セミナーでは、柏倉さんご自身のエピソードも紹介されました。

博士課程に進学して最初のゼミ。先延ばしの末、研究はまったく進んでいなかったそうです。

そこで放った一言が、「合気道の黒帯審査があって、研究は進んでいません」。

場が凍りついたそうで。度胸がすごすぎます。

先延ばしには1万年では足りない歴史がある

なぜ人は、先延ばししてしまうのか。その答えは、意外にも人類史にありました。

  • 人類の約250万年は狩猟採取社会
  • 生き延びるためには、「目の前の刺激」に即座に反応する必要があった
  • 長期的な計画や明確な締切が登場したのは、農耕社会(せいぜい1万年前)

つまり、先延ばしとは、250万年にわたって人類を生かしてきた「合理的な生存戦略」の名残だった、というわけです。

ぱに
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ヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)にすら、先延ばしを表す記号が存在するという話には、思わず笑ってしまいました。

脳と現代社会のミスマッチ

現代はどうでしょう。

  • SNSや動画といった刺激的なコンテンツが溢れている
  • 一方で、研究・勉強・練習といった積み重ねはとにかく地味
  • 長期的なビジョンは、なかなか「自分ごと」にならない

この結果、250万年もの狩猟採取時代の構造を色濃く残したままの脳が、現代社会の強烈な刺激に本能的に飛びついてしまう、という事態が起きます。

その帰結として、先延ばしが量産される。

見方を変えれば、先延ばしをしてしまうのは、極めて自然な反応なのです

「克服」ではない「共存」という提案

先延ばしが自然なものだとしたら、根性で潰そうとするのは、そもそも筋が悪い。

鍵になるのが、「習慣は連鎖する」という考え方です。

心理学的に、ある行動を習慣化できている人は、別の行動も習慣化しやすい傾向があるといいます。

柏倉さん自身の経験談として紹介されたのが、次の方法でした。

  • 合気道の稽古を週3 → 週5に増やす
  • その前後に研究作業をセットで組み込む

まさか、場を凍りつかせた合気道の稽古の数を増やすとは驚愕でした。

しかし、研究を「単体」で頑張らなかった。だからこそ、先延ばしにしていた研究を軌道に乗せることができたそうです。

「楽観的な人ほど先延ばしがひどくない」という逆説

これは、登壇者の柏倉さんの研究成果であり、個人的に、もっとも意外だったポイントです。

それは、「楽観的な人ほど、重度の先延ばしになりにくい」ということ。

自分に厳しい人の方が先延ばしをしないと信じていた僕にとって、かなり逆説的でした。

ぱに
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興味のある方は、是非読んでみてほしいです。下にリンクを貼っておきます。

Future optimism group based on the chronological stress view is less likely to be severe procrastinators | Scientific Reports

【研究成果】楽観的になれば先延ばし癖は改善する!? ――新指標が明らかにする、「希望」の重要性―― – 総合情報ニュース – 総合情報ニュース

失敗への恐怖が大きすぎると、好きなことや、楽しみなことですら、いやだからこそ、先延ばししてしまうことがあります。

そんな人間の性質を前提にしたとき、

  • 回り道に見えることが、結果的に近道になる
  • 人間の不完全さを受け入れることが、前進につながる

というメッセージは、強く胸に響きました。

Q&Aで印象に残った話

先延ばししない人は特別なのか?

  • 遺伝的要因(衝動性)も多少ある
  • ただし多くは「習慣」「環境」「報酬・罰」の設計

つまり、先延ばししない人は「別の人種」なのではなく、先延ばしにくい仕組みの中にいる人、ということです。

習慣化できる条件とは?

  • 好き・楽しい
  • 明確な締切(テストなど)
  • 仲間がいる(集団性)
  • 強制力のある環境に身を置く

根性や意志力ではなく、条件が揃えば、人は自然と動けてしまう

この視点は、とても重要だと感じました。

まとめ:先延ばしは「敵」ではない

この記事では、アカリク主催のオンラインセミナー「なぜ人は先延ばししてしまうのか 科学と歴史から考える『先延ばし』との共存戦略」の参加レポをお届けしました。

先延ばしとは、人類が生き延びてきた証拠であり、現代社会と脳とのズレが生んだ副作用であり、工夫次第で「共存」できるものだと理解することができました。

先延ばしには、人間の不完全さや、人間らしさが詰まっています。

だからこそこれは、責めるべき欠点ではなく、向き合うべき素敵なテーマなのだと思います。

ぱに
ぱに

あなたの先延ばしは、どんな歴史を背負っていますか?

では。

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